令和8年度 所信表明
令和8年度 町政運営方針
はじめに
本日ここに、令和8年第2回おいらせ町議会定例会の開会にあたり、所信表明の機会をいただきました ことに議員の皆様に厚くお礼を申し上げます。
この場をお借りして、町長就任に際し、今後4年間の町政運営に対する私のまちづくりへの思いを申し 述べ、議員各位を始め、広く町民の皆様の深いご理解とご協力を賜りたいと存じます。
私は、これまで町職員として、平成の大合併によるおいらせ町の誕生や東日本大震災からの復旧・復興、そして現在強力に推し進めている役場新庁舎と新病院の新築・移転など、おいらせ町のまちづくりに町民の皆様とともに取り組み、関わってまいりました。その中で「おいらせ町をより暮らしやすいまちにしたい。 そのために必要なことは何か。そして今、自分が すべきことは何か。」という思いから、町政の舵取り役を担う決断をし、今ここに立たせていただいており ます。
町内各地で多くの町民の皆様や事業者の皆様から 貴重なご意見や郷土へ抱く思いを伺う中で、あらためて私の目指す「町づくりへの思い」を、議員各位を はじめ、町民の皆様とともに進めていく決意をいたしました。
町を取り巻く情勢
おいらせ町は、交通の利便性や豊かな自然環境、 子育て支援の充実など、他の地域にはない強みと可能性を有しており、青森県内で最も人口の多い町として、若い世代や子育て世帯が多く暮らす活力のある町です。これまでは二万五千人規模の人口を維持しておりましたが、近年は他の自治体と同様に、減少局面に入ってきており、担い手不足や地域コミュニティの維持の ため、持続可能な人口構造と地域経済の土台づくりが課題となっています。
地域経済と生活環境に目を向けますと、大型商業施設等の立地などにより、一定の賑わいと雇用が生まれている一方で、エネルギー価格の変動や物価高騰、消費行動の変化は、町内事業者や家計に少なからず 影響を及ぼしております。
また、町民誰もがいつまでも元気に暮らしていける環境づくりのための施策や利便性向上のためのデジタル化への対応、さらには、近年頻発している地震や 津波、豪雨災害などのリスクから町民の皆様の命と 暮らしを守る防災・減災の取り組みなど、質の高い 行政サービスをいかに維持・向上していくかも重要な課題となっております。
町政運営の基本姿勢・主要施策の概要
キャッチフレーズと理念
これら一つ一つの課題解決に取り組むため、まちづくりのキャッチフレーズ「絆をはぐくみ ともに歩もう」まちづくりの理念「町民第一のまちづくり」を掲げ ました。
私たちの町、おいらせ町の一番の財産は、人と人との温かなつながりです。日々の暮らしの中で、挨拶を交わし、支え合い、見守り合う関係があるからこそ、この町で暮らす安心感が生まれます。こうした「絆」を大切に育みながら、町民の皆様と行政が同じ方向を向いて、ともに歩んでいく。その歩みの中心には、 常に「町民第一」の視点を据(す)える。この理念を、私の町政運営の根幹として位置付けてまいります。
三つのまちづくりへの思い
そして、まちづくりを進めるにあたって、三つの思いを掲げております。
一つ目は、「新たなステージの到来」です。
おいらせ町は令和8年3月1日に合併から二十年 という大きな節目を迎えました。かつてそれぞれに歴史と文化と誇りを持っていた地域が、共に歩む道を選び、「一つの町」として新たな一歩を踏み出してから二十年が経過いたしました。この間、先人のたゆまぬ努力と町民の皆様のご協力により、東日本大震災など幾多の困難を乗り越え、安定した行政運営を続けるとともに、当町は一定程度の人口を維持し、暮らしやすさの面でも高い評価をいただける町へと成長してまいりました。
しかし、全国的に人口減少と少子化が急速に進行する中、いよいよ当町も人口減少の局面に入ってきており、これまで築き上げた基盤をさらに磨き上げ、時代の変化を見据えた新たな挑戦を続けていかなければ、持続していくことはできません。
私は、合併二十周年という節目を「これまでの二十年を礎に、これからのおいらせ町を築く出発点」と位置付け、町民の皆様とともに、誰もが安心して幸せに暮らすことができ、将来にわたって持続できるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
二つ目は、「町民を第一に」です。
おいらせ町は、人々が自分の居住の地として生活する町です。外にばかり目を向けるのではなく、ここに住んでいる町民の皆様としっかりと向き合い、住み慣れた地域でいつまでも元気に安心して暮らしていただけるよう、町民のことを第一に、必要なことは何か、大切なことは何かを考えてまちづくりを進めてまいります。
三つ目は、「絆を大切に」です。
時代や生活スタイルの変化に伴い、地域の絆が希薄になりつつある昨今、まちづくりの土台には人と人とのつながりや、互いが支えあう関係性を築くことが必要です。それが地域の活力を生む基盤となり、まちを成長させていきます。子どもから高齢者まであらゆる世代の人たちが、互いに支えあう社会を生み出します。おいらせ町で生活するひと、事業を営むひと、みんながつながり、絆を育み、心をひとつに、明るい未来に向かってともに歩んでまいります。
これら三つの「まちづくりへの思い」を進めることにより、おいらせ町を「将来にわたって持続できるまち」として次の世代へ引き継いでいくことが、私に課せられた最大の使命であると受け止めております。
四つの政策の柱
それでは、町民第一のまちづくりを進めていくにあたっての主な政策について、私の考える具体的な 「政策の柱」を申し述べます。
第一の柱、「互いに助け合い いきいきと暮らせる町」についてであります。
おいらせ町は、合併以前から続く地域ごとのつながりや、町内会、各種団体、ボランティア活動などに支えられた、助け合いの文化が息づく町です。この地域の力こそが、災害時の支え合い、子育てや介護の場面での見守り合いなど、日常の安心の土台となっていきます。
また、年齢や障がいの有無にかかわらず、誰もが役割と生きがいを持って暮らせることが大切です。生涯学習やスポーツ、文化活動の機会を充実させる とともに、社会参加の場を広げることにより、互いに支え合い、認め合いながら生き生きと暮らせる地域社会を育んでまいります。
子育ての分野においては、安心して子どもを産み育てられる環境づくりが、将来の人口維持にも直結する重要な課題です。その対策の一つとして、県が創設した「青森県学校給食費無償化等子育て支援市町村交付金」を活用した、保育料と副食費の無償化事業を、速やかに実施するべく、今6月定例会の補正予算案に計上させていただきました。このほかにも、保育・教育環境の充実、子育て世代包括支援の強化、学校と地域が連携した学びと育ちの場づくりなど、子どもたち一人ひとりが生き生きと成長し、保護者の皆様も孤立することなく子育てを楽しめる町を目指してまいります。
さらには、町民の健康を守る地域医療拠点施設として、おいらせ病院の移転新築事業についても、新庁舎建設と併せて、周辺一帯のまちづくりを考慮して強力に進めるとともに、町民の皆様の健康寿命の延伸を図るため、「がん検診の無償化」等を進めて まいります。
第二の柱、「快適で安全安心に暮らせる町」についてであります。
巨大地震をはじめとする大規模災害のリスクや、近年頻発する豪雨災害、さらには感染症への備えなど、私たちの暮らしを取り巻くリスクは多様化し、複雑化しています。町民の皆様の命と暮らしを守ることは、町長としての最も基本的かつ重要な責務であります。
私は、防災・減災対策のさらなる強化を図り、ハード・ソフト両面から、災害に強いまちづくりを進めます。町の防災拠点施設としての機能を持ち合わせた新庁舎建設の強力推進、ペットと一緒に避難できるオートキャンプ場の整備検討のほか、災害時の避難方法や避難所の在り方の再検証、地域の防災訓練や自主防災組織の活動支援など、地域の防災力を高める取り組みを進めてまいります。
また、快適な暮らしという観点からは、移動手段の確保、住環境の整備なども重要です。公共交通の 見直しや地域交通の維持・充実に取り組むとともに、生活道路の整備に取り組んでまいります。
第三の柱、「賑わいがあふれる元気な町」についてであります。
おいらせ町が将来にわたって活力を維持していくためには、人が集い、交流し、楽しむことのできる「賑わいづくり」が欠かせません。
象徴的なプロジェクトの一つが、イオンモール下田の隣接地に整備を進めている新庁舎、新病院の建設であります。
現在、県内外各地から多くの皆様に利用いただいているイオンモール下田は、買い物や飲食だけでなく、世代を超えて人が行き交う交流の場となっています。この賑わいの拠点に隣接する地に、新たな町の「拠点」となる庁舎と病院を整備することにより、行政機能だけでなく、町民の皆様が気軽に立ち寄り、集い、学び、 情報を得ることのできる「開かれた公共空間」の創出が期待されます。
この新庁舎建設は、将来にわたっておいらせ町の行政とまちづくりの核となる大きな事業であります。だからこそ、町民の皆様のご理解をいただきながら、計画的かつ着実に事業を進めてまいります。
そして、農林水産業や商工業、観光など、町の特徴を生かしながら産業振興を進め、新たな価値と魅力を創出していくことが重要です。このため産業団体との懇談会などを実施し、地域の課題解決に向けて取り 組みを進めてまいります。
また、地域の未来を担う人材育成の場である百石高校は、地域の活力を支える大切な存在です。町としても関係機関と連携しながら、魅力向上と存続に向けた取り組みを進めてまいります。
第四の柱、「将来にわたって持続できるまち」についてであります。
これまで述べた将来像や政策の柱を実現していく ためには、何よりも「将来にわたって持続できるまち」であることが前提となります。その基盤となるのが、持続可能な行財政運営です。
物価上昇や賃金上昇の影響により、税収は緩やかに増加することも期待されますが、人口減少社会の進行に加え、社会保障関係経費の増大、老朽化した公共施設の維持管理や改修、物価・人件費の上昇などで 歳出も増えているため、町を取り巻く財政環境は今後も予断を許さない状況にあります。
その一方で、町民の皆様からは、子育て支援や高齢者福祉、防災対策、生活インフラ整備などへの期待も高まっています。「選択と集中」の視点に立ち、本当に必要な事業に的確に資源を投資しつつ、行政の効率化と質の向上を図ることで、限られた財源を最大限に生かす行財政運営に取り組んでまいります。
そのために、民間活力の導入や広域連携の活用などの新しい手法も積極的に取り入れるとともに、行政 手続きのオンライン化やデジタル技術の活用などの 自治体DXを早期に導入することで、町民の皆様の利便性向上と行政の効率化の実現を目指してまいり ます。
また、冒頭にも述べましたが、今年は合併二十年の節目の年であります。合併二十周年記念式典の実施をはじめ、イオンモール下田で行われる、おいらせ秋まつりでは、エフエム青森のラジオ番組の公開収録を予定しているところであります。
さらには、「ふるさと納税」や「公共施設の命名権」など外部財源の確保にも引き続き力を入れ、町の魅力を発信しながら、町内外の皆様から「応援したい町」として選ばれる町を目指してまいります。
そして、何よりも大切なのは、町民の皆様からの信頼です。私は開かれた町政を念頭に、分かりやすい情報発信と丁寧な説明を行うことで、町民の皆様が理解し、納得できる町政を進めてまいります。
そのために定期的な住民懇談会を開催し、地域の課題や未来を語る場を設け、町長として、常に現場に足を運び、町民の声に耳を傾け、その声を町政に生かしてまいります。
おわりに
結びにあたり、あらためて私の決意を申し上げます。
合併二十周年を迎えたこの町には、先人たちが築き上げてきた歴史と文化、豊かな自然、そして何よりも、互いに支え合いながら暮らしてきた町民の皆様の絆があります。このかけがえのない財産を礎に、私たちは次のステージへ向けて、新たな一歩を踏み出さなければなりません。
「互いに助け合い いきいきと暮らせる町」
「快適で安全安心に暮らせる町」
「にぎわいがあふれる元気な町」
「将来にわたって持続できるまち」
この四つの「政策の柱」を町民の皆様とともに 実現し、次の世代に引き継いでいくことが、私の使命であり、責任でもあります。
そのために私は、「絆をはぐくみ ともに歩もう 町民第一のまちづくり」という理念のもと、町民の皆様の声に誠実に向き合い、現場を大切にしながら、勇気を持って決断し、着実に実行してまいります。
議員各位をはじめ、町民の皆様、関係各位の幸せと、おいらせ町のさらなる発展を心から願い、ここに、 町長一期目にあたっての所信の一端を申し述べました。
どうか、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げまして、私の所信表明といたします。

