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令和4年度 所信表明

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年3月8日更新

令和4年度 町政運営方針

 

はじめに

 おいらせ町議会3月定例会の開催に際しまして、このような機会をいただき、心より感謝申し上げます。
 去る2月27日に執行されました、おいらせ町長選挙の結果、多くの町民の皆様からご信任いただき、町長として引き続き、私の愛する郷土「おいらせ町」の町政運営の舵取りを担わせていただくことになりました。
 大変光栄に思うとともに、課せられた使命と責任の重さに、改めて身の引き締まる思いであります。この民意をしっかりと受け止め、全身全霊、全力で務めさせていただきます。
 また、この度、おいらせ町議会議員補欠選挙におきまして、ご当選された 川口弘治 議員におかれましては、誠におめでとうございます。おいらせ町発展のため、ご活躍されますことを心よりご期待申し上げます。
 さて、本日は、この4年間で取り組んだ私の政策公約の状況と、今後4年間の町政運営に対する所信を申し上げ、議員各位を始め、広く町民の皆様の深いご理解とご協力を賜りたいと思います。 

政策公約の達成状況について

 私は、4年前の町長就任の際の所信表明で、目指すまちの姿として、「明るく元気で持続可能なまち」を掲げました。
 私が思い描く、この「明るく元気なまち」は、子どもを安心して産み育てられる環境の中で、子どもたちが健やかに成長し、子どもからお年寄りまで生きがいを持って、元気で生き生きと暮らせるような、笑顔にあふれた町であります。
 この実現を図るべく、6つの「政策の柱」を掲げ、種々の施策に取り組んでまいりました。
 
 まず、1つ目の柱は、「人を守り、人を育てる」であります。
 全世代全対象型の地域包括支援体制の構築のため、役場組織の民生部署における一体的な連携や取り組みが必要であるとの認識から、本庁舎へ町民課、保健こども課、介護福祉課の集約を行い、子育て・保健・介護・福祉・社会保障など、ワンフロア体制にすることで連携強化を図り、町民サービスの充実を実現しました。
 また、未来を担う子どもたちの育成と子育て支援のため、保健こども課内に「子育て世代包括支援センター」を設置し、妊娠期から出産・子育てまでの、切れ目ない支援を実現したほか、保健・介護施策の要となる保健師長を新たに配置し、保健師を増員するなど、「健幸まちづくり」の推進体制を充実・強化しました。
 さらに、政策公約の重点施策として掲げた「学校給食費の無料化」については、議員各位のご理解とご協力のもと、任期1年目から実現いたしました。県内でも子育て支援が充実している町として、多くの子育て世代から賛同の声をいただいております。

 2つ目の柱は、「働く場と賑わいをつくる」であります。
 「経済の域内循環の推進」あるいは「移住・交流人口の増加」の取り組みについては、新型コロナウイルス感染症の影響により、人々の行動が制限され、思い描いた達成にはなりませんでしたが、国の交付金などを有効活用し、地域経済の活性化のため、「プレミアム付きの商品券と飲食券の発行」や、農水産物の消費拡大を図るための「プレミアム販売事業」、さらに、米価下落の影響を受けた稲作農家を支援するための「主食用米 価格安定対策給付金事業」などを進めてまいりました。

 3つ目の柱は、「いきいきと暮らす」であります。
 安全安心への対策においては、地域防災力の向上に向けて、防災安全マップを更新し、これを全戸に配布したほか、自主防災組織の自主的な避難訓練実施や防災マップ作製に対する助成金を拡充しております。
 また、町民アンケートにおいて、毎回の満足度が特に低く、長年の課題であった町内の公共交通体系については、町民バスの定時・定路線方式を抜本的に改革し、予約方式のデマンド型乗合いバスシステムを整備しました。これにより、運転免許返納者等の交通弱者、あるいは身体に障がいのある方も利用できる、利便性の高い公共交通体系が、4月1日から実現することになりました。

 4つ目の柱は、「未来に向けた基盤を整える」であります。
 「真に必要な公共施設の整備」にあたっては、多目的ドーム建設を、資材高騰などの理由により、苦渋の決断として凍結としたところであります。その一方で、町内にある公共施設全体の再編と長寿命化の必要性を踏まえ、「公共施設マネジメント推進委員会」を設置し、公共施設の適正管理についての議論を、現在も引き続き進めております。

 5つ目の柱は、「絆を強くする」であります。
 「地域運営組織の整備と支援」については、地域づくり座談会を定期的に開催し、地域づくり協議会の設立推進に向けて、意見交換などを行っております。
 また、町民の福祉の増進を図り、住みよい地域社会の形成に資することを目的として、町内会運営費交付金を新たに制定し、町内会に対して必要に応じた交付金の配分を実現しました。

 6つ目の柱は、「確かな自治体経営を行う」であります。
 まず、持続可能なまちづくりの基盤である健全な財政運営を継続するため「おいらせ町財政運営に関する条例」を県内で初めて制定し、揺るぎない財政運営の指針と基本原則を定めたところであります。
 また、「行財政情報の共有」にあたっては、財政状況などの説明を分かりやすい表現で町広報紙やホームページに掲載し、町の財政に関心を持っていただく取り組みを実施しております。
 さらに、「自治体経営推進体制の整備と実行」については、図書館や児童館に「指定管理者制度」を導入し、利用する方々の利便性を向上させました。特に、図書館においては、県内初の「電子図書館」を整備し、コロナ禍においても読書環境の充実を実現したところであります。
 また、これらの政策公約以外にも、町総合計画に掲げた施策に取り組んでおります。

今後4年間の町政運営の考え方

 それでは、今後4年間の町政運営の基本姿勢について申し上げます。
 私は、新たな任期を務めるにあたり、20年、30年先のおいらせ町のあるべき姿を訴えてまいりました。
 この訴えを、2つの「目指すまちの姿」と6つの「政策の柱」、そして重点的に取り組む8つの「施策」として体系化し、町政運営を進めてまいります。
 まず、「目指すまちの姿」の1つ目は、引き続き「明るく元気で持続可能なまち」であります。
 総務省が先ごろ公表した、2021年の人口移動報告によると、県内の転出超過は前年を下回ったものの、依然として若者が県外に流出する傾向が続いているとされています。
 私は、「当町の高齢化が進み、若者が町外・県外へ大量に流出する状況が続いた場合、誰がこの町の行財政を支えていくのか」という危機感を常に抱いております。
 「人口を減らしてはならない。そして選ばれ続ける魅力ある町にしなければならない。」という使命感を持ち、町の将来像である「子どものびのび 大人いきいき ともにつくる おいらせ町」の実現に向け、さらに邁進します。
 「目指すまちの姿」の2つ目は、「安全で安心できるまち」であります。
 東日本大震災から早11年が経過しますが、私の町長1期目の出来事でもあり、今でもその状況を鮮明に覚えています。
 さらに、2期目には、いわば国難級の災害とも言える、私たち人類が経験したことがない、未知のウイルスである新型コロナウイルス感染症への対応に追われ、現在もなお収束の見通しが立たない状況にあります。
 町長として2度の災害を経験した私は、町民生活を守ることの重要性を強く感じております。町民の生命と財産を守るため、安全で安心できるまちづくりに全力で取り組んでいきます。
 次に、私が掲げる6つの「政策の柱」と公約達成のために重点的に取り組む8つの「主な施策」について、ご説明いたします。

 1つ目の柱は、『コロナ禍の安全・安心対応』です。
 新型コロナウイルス感染症の第6波は、今なお全国各地で猛威を振るっており、県内でも先行きが見通せない状況です。この状況下においても、希望する方へ迅速かつ安全なワクチン接種を提供していきます。
 また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、影響を受けた町内の飲食業者や商工業者を始め、あらゆる業種の方々に対して、状況に応じた経済的支援を実施するとともに、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の速やかな対応、そして、令和4年度の当初予算で措置する「プレミアム付き商品券」の発行事業など、これらの取り組みを一体的に重点施策として進めます。

 2つ目の柱は、『子育て環境・学校教育環境の充実』であります。
 人口減少対策の1つである子育て世代の定住促進には、子育て環境や学校環境の充実が必要不可欠であります。
 また、「国家100年の計は教育にあり」という言葉があるように、人づくりは地域にとって大変重要な政策であります。私は「人に投資する。それが町の未来につながる」と確信しております。
 県内はもとより、全国的にも学校給食費の無料化や教育に力を入れる自治体が増えています。特に、今回の町長選挙の争点とした「学校給食費の無料化」については、改めて多くの方から賛同を得たところであり、この無料化事業を引き続き実施したく、今定例会において無料化の期間を延長する条例案を追加提案させていただきたいと考えております。議員各位のご理解を賜りますようお願いいたします。
 また、児童生徒の「通学路の安全確保」については、道路のカラー舗装や水路等の活用による歩道の確保など、子どもたちの安全につながる取り組みを、速やかに検討実施していくため、これらを重点施策として取り組んでいきます。
 このほか、令和4年度事業として「町内全小学校普通教室へのエアコン設置」を進めるとともに、支援を要する子どもたちの学びの環境を整備するため、特別支援教育支援員を増員します。また、「木ノ下中学校講堂改築の着工」や「子ども家庭総合支援拠点の開設」について、任期の早い段階で実現を目指します。

 3つ目の柱は、『健幸まちづくりの推進』であります。
 重点施策として掲げた「スポーツ施設の環境整備」については、旧2町時代からある同じ施設や使われていない施設を統廃合し、時代が求める新たなスポーツ施設への転用・充実を図っていきます。
 さらに、「おいらせ病院の早期移転建て替え」については、新たなまちづくりの拠点整備の観点からも、統合庁舎整備と一体的に重点施策として位置づけ、検討・研究を進めます。
 このほか、妊産婦から高齢者までの切れ目ない相談と健康づくり、保健事業と介護予防の一体的な取り組みについて、引き続き民生3課の連携を強化し、「健幸まちづくり」を進めます。

 4つ目の柱は、『人口定住と生活基盤の整備』であります。
 まず、新たな公共交通体系として、デマンド型乗合いバスの運行を4月1日から開始します。さらに、北部地区に住んでいる町民の皆様の利便性向上のため、郵便局の早期開局を実現することを、重点施策として取り組むとともに、令和4年度事業として、住民票等のコンビニエンスストア交付に向けた取り組みを進めます。
 また、合併来の懸案事項の1つである「統合庁舎建設」については、令和4年度中に検討チームを設置し、先ほど申しました、おいらせ病院移転建て替えや庁舎の跡地利用などと一体的に検討し、新たな町の拠点整備の研究を早期に実行し、進めていきます。
 そして、地域運営の主体はそこに住む町民であり、自分たちの地域は自分たちが主体となって考え、行動するという住民自治の原点に立ち、地域運営組織などのまちづくり団体への支援を充実、強化してまいります。

 5つ目の柱は、『産業振興の発展』であります。
 当町においても、農水産業の担い手や後継者不足は顕著であり、この課題解決については、時間を要しますが、引き続き担い手関係者や関係団体と連携し、持続可能な生業に繋げる調査研究や意見交換を実施します。
 また、行政サービスのさらなる向上のため、IT技術を活用した「自治体デジタルトランスフォーメーション(自治体DX)」を推進し、コロナ禍で働き方も変化してきた民間企業との連携を取りながら、企業の戦略化を後押しします。

 6つ目の柱は、『持続可能な健全財政の維持と確実な行政運営』であります。
 「町自治基本条例」と「町財政運営に関する条例」を基本として、住民との協働を推進するため、財政状況などを主題とした「住民との会話」を行うことに加え、分かりやすい行政情報の提供に取り組んでいきます。
 また、適正な行政運営を着実に進めるため、職員一人ひとりのさらなる資質向上を図ることを重点施策として進めます。
 そして、新型コロナウイルス感染症の第6波の収束とその先のアフターコロナを見据え、6つの政策公約の柱と連動させながら、町の最上位のまちづくり計画である「第2次 おいらせ町総合計画」を着実に進めてまいります。

おわりに

 以上、町政運営にあたって、私の政策公約に基づき、所信の一端を申し述べましたが、政策達成に時間を要するものや、財政的負担が大きい施策については、その時々の状況を踏まえ適切に判断し、対処していきたいと考えております。
 そのような状況下においても『今を生きる人たちが安全で安心できるまちづくり』そして、『すべては子どもたちの未来のために明るく元気で持続可能なまちづくり』のため、政策公約の推進と実現こそが、連続して当選した私の最大の使命として、一生懸命努力していく覚悟であります。
 結びになりますが、私は「真のまちづくり」とは何かを考える中で、これを進めるためには、4つの「しん」を大切にしたい字と位置付けております。
 1つ目は、現状を打破し、あらゆる困難をも乗り越え、スピード感を持って物事を前に進める「進」という字です。
 2つ目は、伝統文化を大切にしながらも、新たなことに挑戦しつづける「新」という字です。
 3つ目は、町政運営に一番大切な信用・信頼、そして信念の「信」という字です。
 そして4つ目は、人と人との心のふれあいを大切にする「心」であり、私が座右の銘にしている「初心忘るべからず」の「心」でもあります。
 常に初心を忘れずに、正しいと明言できる「真のまちづくり」に向け、町民の皆様と約束したことをしっかりと心に携え、町の発展のため4年間の町政運営を担っていく覚悟であります。

 改めまして、議員各位を始め、町民の皆様の一層のご理解とご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げ、私の所信表明といたします。


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