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令和2年度 所信表明

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年3月23日更新

令和2年度 町政運営方針

 

はじめに

 本日ここに、令和2年第1回おいらせ町議会定例会が開会され、令和2年度当初予算案をはじめ、各般にわたる議案についてご審議を願うにあたり、町政運営に対する私の所信の一端を申し上げ、議員各位をはじめ、広く町民の皆様の深いご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 私は、一昨年の3月、町政の舵取り役としての重役を町民の皆様から負託されて、早いもので2年の月日が経過しようとしております。
 この間、「人を守り、人を育てる」、「働く場と賑わいをつくる」、「いきいきと暮らす」、「未来に向けた基盤を整える」、「絆を強くする」、「確かな自治体経営を行う」の6つの柱を中心に、種々の取り組みを進め、私の目指す姿である「明るく元気で持続可能なまち」の実現に向けて、議員各位をはじめ、多くの町民の皆様からのお力添えをいただきながら、一歩一歩着実に前進してまいりました。
 就任3年目を迎える令和2年度は、任期の折り返しとなる大変重要な年となります。政策公約の実行と推進に向け、さらに気を引き締め、「まちの発展と町民の幸福(しあわせ)」を目指し、「選択と集中」「決断」そして「スピード感」をもって全力で取り組んでまいります。
 議員各位並びに町民の皆様には、引き続き、温かいご支援とご協力を心からお願い申し上げます。 

おいらせ町を取り巻く情勢

 さて、当町を取り巻く情勢に目を向けますと、人口規模は約2万5千人を維持しているものの、高齢化率は約27%となっており、いわゆる団塊ジュニアが65歳以上になる令和22年の2040年には、約38%まで増加することが予測されております。町全体の人口減少はもとより、生産年齢人口の減少も加速する状況が顕著になります。
 このことは、産業の担い手不足による地域経済の衰退と、税収減少に伴い行政サービスの維持が困難になることを意味し、町全体の活力を奪うなど、多大な影響をもたらすことになります。
 しかし、人口減少問題は一自治体で解決できるものではなく、国、県そして市町村が互いに連携し立ち向かわなければ到底解決できない課題でもあります。
 避けることのできない少子化の克服、そして超高齢社会に対応すべく、来年度からスタートする「第2期おいらせ町 まち・ひと・しごと創生総合戦略」をしっかりと推し進め、取り組む必要があります。

 また、当町は平成23年に発生した東日本大震災の被災地として、復旧、復興対応にあたってまいりましたが、近年は、全国各地において台風や長雨による水害など、これまでは想定できなかった大規模な災害が発生しております。昨年、青森県が公表した奥入瀬川の洪水浸水最大想定において、本庁舎、分庁舎周辺では、ともに最大3メートルの浸水が予測されており、災害対応拠点としての庁舎の在り方も検討していかなければなりません。

 さらに、昨今の新型コロナウイルスなどに見られる、感染症対策については、迅速な意思決定のもとで、適切な情報提供などの対応が必要になります。
 このように、誰もが経験したことのない時代の到来に備え、我々が今できること、そしてやらなければならないことをしっかりと認識し、町民と議会、行政が一体となったまちづくりを進めていくことが必要であると考えます。

令和元年度の総括

 平成から令和へと、新しい時代を迎えた昨年を振り返りますと、私の政策公約である「明るく元気で持続可能なまち」の実現に向け、取り組みの具現化、そして新たな行政課題に的確に対応するために、効率的そして効果的な組織体制の確立が必要不可欠であるとの認識から、町民課、環境保健課、介護福祉課の保健福祉部門を本庁舎へ集約し、3課が互いに連携を取りやすい環境を整え、住民サービスの向上を図りました。
 また「政策公約の推進強化」と「将来を見据えた財政基盤の確立」のため、従来の企画財政課を改編し、政策推進課と財政管財課を設置しました。

 一方、政策公約の一つである「多目的ドームの建設促進」については、町の財政が、私の予想以上に深刻な状況にあり、建設費及び維持管理費が財政に及ぼす影響が大きいことからも、苦渋の決断として事業の実施を凍結としました。建設を待ち望んでいた、多くの関係者の期待に添うことができず、私も残念な思いであります。
 しかし、町の発展と町民の幸福(しあわせ)のため、「後世に負担を残してはならない」という私の決意は、町長就任時の所信表明のとおりであり、強い信念をもって今後とも財政の健全化のもと、持続可能な行財政運営に取り組む所であります。

町政運営の基本姿勢

 それでは、令和2年度の町政運営の基本姿勢について、申し上げます。
 第一は、「政策公約の推進」であります。
 政策公約の3つの重点項目と6つの政策の柱は、私の4年間の任期で取り組むべきものとして、町民の皆様と約束いたしました政策理念であります。
 特に、6つの政策の柱は、「明るく元気で持続可能なまち」という目指す姿に直結するものであります。

    第1に「人を守り、人を育てる」

    第2に「働く場と賑わいをつくる」

    第3に「いきいきと暮らす」

    第4に「未来に向けた基盤を整える」

    第5に「絆を強くする」

    そして、第6に「確かな自治体経営を行う」

 これら実現のため、具体的施策や事務事業を計画的に、かつ実効性を高めながら、既に実施している公約はより発展的に、そして未達成の施策はスピード感をもって推進してまいります。
 第二は、「持続可能な行財政運営の実現」であります。
 現在の町財政状況は、扶助費や物件費を始めとする経費が年々増加した結果、経常収支比率が95%を超えたことから、安定的な財政運営の継続に支障が生じる懸念が拡大しつつあります。
 これまで多くの事務事業が、事業効果の評価と検証が無いままに継続的に実施されてきた反省から、これまでのように「あれも、これも」行うのではなく、真に必要な「あれか、これか」を選択するため、全ての事務事業を対象とした「事務事業評価」に取り組みます。
 先ほど申し上げたとおり、私の政策理念の根底にある「後世に負担を残してはならない」という思いは、揺るぎ無いものであり、子どもや孫たちが、私たちのふるさと「おいらせ町」を、未来へ希望をもって引き継げるようにするため、持続可能な行財政運営を進めていくことが、今の私に課せられた最大の使命と思っております。

令和2年度の主要施策

 続いて、令和2年度に取り組む主な施策の概要について、第2次おいらせ町総合計画の7つの基本方針に沿ってご説明いたします。

  まず、基本方針の1『町民と議会・行政がともに考え、行動するまち』に係る施策であります。
 重点施策として、「協働によるまちづくり活動の推進」のため、町内会と「協働による地域づくりに関する協定」を締結し、「町内会運営費交付金」を交付するなど、町内会が自主的に取り組む活動を支援します。
 主な施策として、町内会相互の交流を図るために住民自治推進事業を実施します。さらに新規事業では、第2次町総合計画に基づく地区別構想を具現化するための研究を開始し、協働によるまちづくりにつながる取り組みを進めていきます。

 次に、基本方針の2『みんなが互いに助け合うまち』に係る施策であります。
 重点施策として、ひとり親家庭や乳幼児等への医療費給付を引き続き実施するとともに、子育て関連の切れ目ない支援の提供を目的とし「子育て世代包括支援センター」の運営を4月1日からスタートします。
 主な施策としては、健康寿命延伸への取り組みとして、特定健康診査やがん検診を実施するとともに、受診率の向上を図ります。
 さらに、第8期介護保険事業計画・高齢者福祉計画の策定を行い、介護予防・日常生活支援などの多様な事業展開に取り組み、必要な人に必要なサービスを提供する体制を強化します。

 次に、基本方針の3『豊かな心と伝統・文化が薫るまち』に係る施策であります。
 重点施策として、私の政策公約である「学校給食費の無料化」を継続実施します。
 主な施策として、木ノ下小学校講堂の天井耐震化改修や百石中学校講堂改築に伴う外構工事を完了させるとともに、学校施設の長寿命化計画を策定し、計画的な整備に努めます。さらに、児童生徒や保護者が教育に関わる不安や悩みを相談できる教育相談員を1名増員し、教育相談体制の充実を図ります。
 また、社会教育の分野では、今年度に完成した「第3次おいらせ町社会教育中期計画」に基づき、「地域学校協働活動」の検討を始めます。
 スポーツ分野においては、本年6月にオリンピックの聖火リレーが当町を通過することに併せ、ミニセレブレーションを実施し、東京2020大会を契機として町のスポーツ振興につなげ、2025年に青森県で開催される第80回国民スポーツ大会に向けた準備委員会設立の検討を始めます。

 次に、基本方針の4『快適で安心して暮らすことができるまち』に係る施策であります。
 重点施策の1つ目として、地域防災力の向上のため、町民の暮らしを守る「防災安全マップ」を更新し各世帯へ配布するとともに、百石第1分団水槽付消防ポンプ自動車の更新と消防団装備品を整備し、消防体制の強化、充実を図ります。
 重点施策の2つ目として、町民バスなどの公共交通について、より利便性の高い交通体系として整備するため、抜本的な見直し作業に取り組みます。
 主な施策としては、「第2期おいらせ町まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、移住・定住の促進に向けた施策に引き続き取り組むほか、生活関連道路及び住吉地区から三沢市立三沢病院への緊急搬送道路の整備を計画的に進めます。
 また、持続可能な下水道事業の経営を図るため、令和6年度からの「公営企業会計法」適用に向けた基本計画の策定に取り掛かります。

 次に、基本方針の5『魅力ある産業を創出するまち』に係る施策であります。
 重点施策として、当町の産業基盤の1つである農業においては、県営事業の活用により赤田・下田前堰地区の用水路整備を引き続き実施するとともに、漁業については、同じく県営事業の活用により、百石漁港の航路浚渫を継続して取り組みます。
 主な施策として、「VISITはちのへ」や「上十三・十和田湖広域 定住自立圏 観光推進協議会」と連携した広域観光の振興策に取り組むほか、百石高校食物調理科が実施する「高校生レストラン」の開催経費を引き続き支援します。

 次に、基本方針の6『自然環境と都市機能が調和するまち』に係る施策であります。
 重点施策として、秩序ある開発と土地利用への誘導を図るため、都市計画の見直し作業を引き続き進め、平成29年度に作成した「おいらせ町都市計画マスタープラン」に基づく、将来の当町の土地利用の在り方を継続して県と協議していきます。
 また、農用地を確保し、農業の健全な発展を図るため、引き続き、町農業振興地域整備計画の見直しを行い、計画を完成させます。

 次に、基本方針の7『健全な行財政運営による持続可能なまち』に係る主要施策であります。
 最重点施策として、先ほども述べました私の決意、「持続可能な行財政運営」に道筋をつけるべく、「財政健全化の推進」を不退転の覚悟で進めます。
 主な施策として、今年度から取り組んでおります事務事業評価に加え、持続可能な「公共施設マネジメント」に転換するため、庁内推進体制を整備した上で、統廃合や長寿命化対策の具体的検討を始めるなど、ソフト・ハードの両面から対策を進めてまいります。
 このほか、新規事業として、令和3年度開始に向けたコンビニエンスストア収納の準備と、職員の働き方改革と事務効率化の一環として、RPAやAIなど新たな技術を試行導入し、効率的な業務の遂行を目指します。さらに令和2年度から2つの児童館とみなくる館などの社会教育施設が指定管理者を導入しますが、ほかの施設についても、引き続き制度導入に向けた検討を行います。

 以上が、第2次町総合計画の基本方針に沿った、来年度の重点的に取り組む施策と主な施策であります。
 これらの実施に伴う令和2年度当初予算の総額は、一般会計が101億7千4百70万円、6つの特別会計の合計が62億5千8百43万5千円、公営企業会計が10億5千7百78万4千円、総額174億9千91万9千円となっております。

おわりに

 以上、町政の運営方針について、私の所信の一端を申し述べました。

 町政を取り巻く環境は、引き続き厳しい状況にあります。しかし、多くの先人たちが幾多の困難を乗り越えながら築き上げてきた、この魅力あふれる町をさらに発展させ、次の世代へ引き継いでいくことが私たちの使命であります。

 私は、「明るく元気で持続可能なまち」、そして「子どもがのびのび成長し、大人がいきいきと暮らすことができる町」の実現に向けて、町民の皆様からの信頼と期待を力に変え、関係者全ての力を結集した体制で課題を克服してまいりたいと考えております。

 最後に、町民並びに議員の皆様のより一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、令和2年度の町政運営にあたっての所信表明といたします。

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