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民法等の一部改正(共同親権等)について

印刷用ページを表示する 掲載日:2026年1月30日更新

民法等の一部改正(父母離婚後の子の養育に関する見直し)について

令和6年(2024年)5月17日、父母が離婚した後もこどもの利益を確保することを目的に、民法等の一部改正法が成立しました。

この改正法は、こどもを養育する父母の責務を明確化するとともに、親権(単独親権、共同親権)、養育費、親子交流等に関するルールを見直すもので、令和8年(2026年)4月1日から施行されます。

改正に係る主なポイントは以下のとおりですが、詳細については法務省のホームページにてご確認ください。

親の責務に関するルールの明確化

こどもの未来を担う親の責任として、親権や婚姻関係があるかどうかに関わらず、こどもを育てる責任と義務についてのルールが明確にされました。 

こどもの人格の尊重

こどもが心も体も元気でいられるように育てる責任があります。こどもの利益のため、意見をよく聞き、人格を尊重しなければなりません。

こどもの扶養

こどもを養う責任を指します。こどもが親と同じくらいの生活を送れる水準でなければなりません。

父母間の人格尊重・協力義務

こどものために、お互いを尊重して協力し合うことが大切です。

このため、次のような事例では人格尊重・協力義務違反となる場合があります。(ただし、暴力等や虐待から逃げることはこの義務に違反しません。)

  • 暴力や相手を怖がらせるような言動
  • 他方の親によるこどもの世話を不当に干渉すること
  • 特段の理由なくこどもの住む場所を変えること
  • 約束した親子の交流を妨げること

なお、義務に違反した場合、家庭裁判所で親権者の指定・変更・親権喪失等の審判がなされる際に違反内容が考慮され、違反した者に不利となる可能性がありますのでご注意ください。

親権に関するルールの見直し

1人だけが親権を持つ単独親権のほかに、離婚後に父母2人ともが親権を持つ共同親権の選択ができるようになります。

父母2人ともが親権を持つ共同親権の場合

毎日の生活に必要なこと、例えば食事や服装、短期間の観光目的での旅行、予防接種や習い事等は、父母のどちらかで決定することができます。

こどもの住む場所を変えることや進路に影響する進学先を決めること、心身に大きな影響を与える医療行為、こどもの財産の管理等については、父母で話し合いをして決定します。なお、父母の意見が対立する場合には、家庭裁判所が父母どちらか1人でその事項を決められるように親権行使者を指定することができます。

一方の親が決められる緊急のケース

暴力等や虐待から逃れるために引っ越すこと、こどもに緊急の医療行為を受けさせる必要がある場合等は、父母の一方が単独で決めることができます。

養育費の支払い確保に向けた変更点

こどもの生活を守るために、養育費を確実にしっかりと受け取れるように、新たなルールの創設・見直しが行われました。

取り決めの実効性アップ

支払いが滞った場合は、養育費の取り決めの際に父母間で作成した文書に基づいて、一方の親の財産を差し押さえる申し立てができるようになります。(従来は、公正証書や調停調書、審判書等の債務名義が必要でしたが、不要になります。) 

法定養育費とは

これまでの民法では、父母の協議や家庭裁判所の手続きにより養育費の額を取り決めなければ養育費を請求することができませんでしたが、今回の改正により、離婚時の取り決めがなくても、こどもと生活する親がこどもと生活していない親へ養育費(法定養育費)を請求できるようになります。あくまで、養育費の取り決めをするまでの暫定的・補充的なものです。(法定養育費は、父母間で取り決めるべき養育費の標準額や下限額を定める趣旨のものではありません。)

裁判手続きの利便性向上

家庭裁判所は、養育費に関する裁判手続きをスムーズに進めるため、当事者に対して収入情報の開示を命じることができることとしています。また、養育費を請求する民事執行の手続きでは、地方裁判所に対する1回の申し立てで財産の開示、給与情報の提供、判明した給与の差し押さえに関する手続きを行うことができるようになります。

安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し

こどものことを最優先に、親子交流や父母以外の親族との交流に関するルールが見直されました。

親子交流の試行的実施

家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的に行うことができます。家庭裁判所は、こどものためを最優先に考え、実施が適切かどうか検討し実施を促します。

婚姻中別居の親子交流

父母が婚姻中にこどもと別居している場合の親子交流は、こどものことを最優先に考えることを前提に、父母の協議で決め、決まらない場合は家庭裁判所の審判等で決めることがルールとなります。

父母以外の親族とこどもの交流

祖父母等、こどもとの間に親子関係のような親しい関係があり、こどものために必要があるといった場合、家庭裁判所はこどもが父母以外の親族との交流を行えるようにできます。


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